第17輪 世界を作るにはすべてが必要

 わたしがヒーリングしなかったら、とっくに死んでたんだから

          ――ゼラニウム

 エジプト植物界。
 アロマ連合本部のとある一室。

 おごそかな雰囲気のなか、緑のソファにすわる4人の精霊がいた。
 2人は植物の精霊で、黒いローブに身をつつんだ黒髪の青年と、白い着物を着た銀髪の青年。反対側のソファには、こわもてのライオンとサイの精霊がいた。
 ピリピリと緊張した空気は一触即発だった。

「どう責任を取られるおつもりか、『真の薫香』どの? わが動物界のUFOを盗んだばかりか、ブタの精霊たちがあなたのところのナイトに殺されている。これはゆゆしき事態ですぞ! くわえてエッフェル塔へのたび重なる破壊行為。人間界への影響はさけられない」

 ライオンが大きく目を見開き、すごむ。

 黒髪の青年は「ううむ。そうだのう」すこし間をおいたのち「今回の一件は、我々にもわからないことが多い。どう対処しようか」

「動物界はいつでも戦争する準備ができていますよ。あなたの持つ地球代表の神としての管理権限を手に入れるために」

 ライオンは圧力をかけてきた。外交なれしている。こうやって自分に有利な要求をするのだろう。

「ワッハッハ、若さにはかなわんの。しかし、ときとしてそれはもろ刃のつるぎとなる。わしには次の銀河会議で、動物界がバジリコにUFOを渡していたことを報告する準備があるよ」

「ぐっ、わかった。こっちの負けだ。だが、私にも立場がある。このまま何も手に入れずには帰れない。ブタたちを殺したあのナイトを渡してほしい」

「ああ、彼か」

「そうだ。あのオレンジの精霊だ」

 『真の薫香』は困った顔をした。

「残念だのう。彼はこの事件が起きる前に、退職してしまった」そして、とびっきりの笑顔を見せる。「つまり、今回の一件はアロマ連合とは何の関係もないのだ。悪いのう」

 ライオンとサイは顔を見あわせた。
 立ちあがり、別れのあいさつもせず部屋を出ようとする。

「おや? 茶ぐらい飲んで行けばよいのに」

「植物至上主義者の横行を止めなければ、いつかあなた自身が破滅しますよ」

 廊下を歩くサイはいった。
「おい、なんて報告するんだ?」
「……いま考えてる」
「あれが長老たちがうわさする地球の覇者オリバナムか。てごわい男だ」

 動物界の使者が去ったあと、応接室に残った2輪は笑った。
 銀髪の頭から狐耳をはやした、女性より美しい顔立ちの青年はいった。

「我々の勝利だ。オリバー」

「銀……痛いことをいわれてしまった。我々には問題が山積みだ」

「いまに始まったことじゃない。それよりバジリコと動物界がつながっていたとは。こうなることがわかっていたのか?」

「ああ。だからオレンジをはずしたのだ。弟子を守るのが師匠のつとめだ」

「彼はどうするんだ?」

「もちろんもどってもらう。彼は優秀なナイトだ。やってもらわねばならんことが、まだまだたくさんある」

「まさか、お前と私の弟子がアトランティスの亡霊を倒すとは」

「昔の自分たちを見てるようだ。さて、わしは仕事にもどるとしよう」

「私も日本に帰らねば。ひさしぶりにエジプトにもどったのに」

「来月はあれか?」

「ああ、神無月だ。日本中の神を招集し、マウント・フジで株主総会をひらく。お前ほどじゃないが、日本代表も忙しいのさ。はやく準備しないとサカキがうるさいんでな」

 

 アロマ連合の事情聴取を終えたとき、すでに日付は変わって、次の日の午後2時になっていた。
 精霊界の病院に運ばれたティーツリーをのぞいて、オレとペパーミントとラベンダーは、こってりと事件についてあれこれ聞かれ、服はよれよれ、体もくたくたになってた。
 たまりきった疲労でねむりそうになると、おっさんにたたき起こされるんだ。
 ペパーはブタたちを殺したのはオレンジだっていい張るし――ま、冥界の皇子という立場を考えてのことだろう。外交問題に発展することをおそれたんだ。1つ貸しといてやった――ラベンダーなんか危なかった。封霊ビンを持って階段を走る姿をUFOから目撃されてたから。だけど、あれはバジリコが変身した姿ということで、なんとか納得してもらった。
 ほんとうは、もっと詳細な状況確認のため1週間は拘束される予定だったんだけど、元師匠の『真の薫香』――偉大なグランド・マスターさまの粋なはからいで、1日で解放された。
 ラベンダーはどこへ行ったか知らんが、冥界に帰るペパーミントに別れをつげて、オレにはすぐ確認しなきゃならないことがあった。

 リヨンの隔離病棟にて。
 ガトフォセは、むくりと起き上がった。
 のどや胸にあった重たい痛みがなくなっている。体が若返ったように軽い。長く続いたゆううつな雨が、晴れたかのようなさわやかさ。
 それから、あることに気づいた。四六時中ずっと耳をなやませていた咳の音が聞こえない。病室はしずかで、あたたかな午後の陽射しが差しこんでいた。
 ふと入り口を見ると、壁によりかかるオレさまがいた。

「オレンジ……おまえが助けてくれたのか?」

「いや、オレはただ旅行してただけだ。デトロイトサラゴサ、パリをな」

「なんでデトロイトに?」

 オレはとなりのベッドにこしかける。

「最新型の車に興味があってな」

「どんな車だった?」

「そうだな。エッフェル塔を破壊できるくらいがんじょうだな」

「アッハッハ、なんだそりゃ。でも、あの醜悪なバベルの塔を破壊してくれるなら、アメリカの車も買ってみる価値はあるな」

「あれ、おまえもエッフェル塔ダメなの?」

「うん。でも今回の大戦で活躍してくれたみたいだし、1度のぼってみてもいいかもしれんな」

「それなら、オレがガイドしてやろう。最上階は絶景だぞ。パリ市内がすべて見わたせる」

「おお、心強いな」

 それから雑談なんかして、オレはひさしぶりにガトフォセと笑いあった。やっぱりこいつと話すのが大好きだ。地球のこと。宇宙のこと。人間のこと。いろんなことを忘れられるから。生きててくれてよかった。しょうじきいって、もうダメなんじゃないかと思ってたけど。

(ルネ=モーリス・ガトフォセ。香料および化粧品の研究者、経営者。アロマテラピーという言葉を作った精油の第一人者。享年69歳。1937年に出版した〝アロマテラピー〟はなかなか好評だったが、オレの影響をうけて書いたSF小説は、ちょっとばかし時代がはやかったようだ。多趣味でユーモアある最高の人間。なお、21世紀初頭、ガトフォセ社はまだ続いているのを確認)

 

 その後、1918年11月11日。
 ドイツと連合国が休戦協定を結び、世界大戦は終結した。
 この戦争で2人の兄を亡くしたガトフォセは、腐ることなく必死に働いた。そのかいあって、ガトフォセ社はなんとか経営を建てなおした。
 世界で5000万人以上の死者を出したスペイン風邪の影響で、さすがのフランス人たちもいまの衛生状況はマズいと気づいたようだ。
 香料も香水も飛ぶように売れ、ガトフォセ社の売りあげは右肩上がり。絶好調だった。

 だけど、物語はまだ終わりじゃなかった。

 オレは世界を救ったけど、もうひとり救わないといけないやつがいる。そいつを救わなきゃオレは2次元から解放されない。

(このせまっ苦しい空間にも、いいかげん飽きてきた。こんな次元じゃオレさまのみやびな香りもだいなし。作者にたのまれたからやったが、もう2度とこんなことしたくない。文字になる気分がきみにわかるか? 心底ごめんだね)

 顔はいいけど、いじっぱりでいじわるでガンコですききらいのはげしいこまったお子さま。これからもきっと、伝説や祝日を作っていくんだろう。
 あの戦いから半年以上たったいまでも、ラベンダーには会えてない。
 オレはガトフォセ社のオフィスで、ガトフォセたちといっしょに働いていた。ガトフォセが勧めてくれたおかげで、会社のみんなもオレンジの果実が好きになっていた。
 一生けんめい指示を出すガトフォセの横で、日課の1時間のクレーム――ゼンマイ仕掛けの騎士団と特ダネへの苦情――の電話をし終えると、待ちあわせ場所のカフェへ向かう。
 やつらの行動にも困ったもんだ。ヒトを犯罪者あつかいしといて謝罪のひとっこともない。社会人なんだから、もうちょっと責任ある行動を取ってほしいもんだね。性格や精神に異常をきたしてるとしか思えない。番組司会者の小倉はだんまりを決めこんでるし、ソルトなんて先週やっと電話に出たかと思えば――しかも、電話の女の子が「今日も捜査で外出してるわ」といってる最中に電話をうばって――「ま、まいにちまいにち電話しやがって、こっちはヒトをうたがうのが仕事なんだ、ノージンジャー‼︎」電話を切られた。
 ま、オレも連合のナイトだったから、気持ちはわからなくもない。謝罪の言葉はなかったが、ゆるしてやろうと思う。それにいいこともあった。半年以上ずっとクレームし続けたおかげで、騎士団の女の子となかよくなった。今度デートに行くんだ。
 そうそう、ジジイからアロマ連合にもどってほしいとたのまれてるんだが、ことわり続けてる。
 せっかく自由の身になれたんだ。人生をまんきつしたいし、組織に使われるのはもううんざり。
 行くあてはないが、動物界に興味がある。向こうの女の子はめちゃくちゃかわいいんだ。
 約束の時間にきっちり15分おくれて行くと、ロンドン時代からの古い友だちは、すでに席についていた。友だちというよりお姉さんのようで、家族に近いかもしれない。
 石だたみのテラス席にすわる。

「おそかったね」

「え、もしかして、待たせた?」

「うん」

「……わるい。フランスだとおくれて行くのがマナーなんだ」

「ウフフ、あんなに人間をきらってたあなたが、人間のまねをするなんて」

「こっちじゃみんなやってる!」

 オレはコーヒーを飲みながら、かわいらしいピンクの髪の、ふんわりした女の子としゃべった。フランスに来てから会ってなかったから、ずいぶん会話がはずんだ。

「それで、宇宙で1番強い力って?」

「若気のいたりだ。それでゼラ、オレはいったんだ。この能力は若者の特権なんだって」

「ウフフ、オーレったら、あなたらしい」

「お、もう夕方か。それで、あれはわかった?」

「ヴェルダンにいる。そこで1週間前から香りを持った天使が目撃されてる」

「ありがとう」

「これから行くの?」

「ああ。おっと、忘れるとこだった。これがこっちのあいさつ」

 オレはビズをした。パリ風に2回。左右のほっぺをゼラニウムにくっつけキスをする。

「ウッフ、人間界もわるくない」

「チャオ、良い香りを」

 

 1919年。6月28日の今日。
 ヴェルサイユ条約が調印された。
 人間たちはおめでたいムードだった。でも、この風景を見ると、なんだかなあ。
 世界大戦が残したつめあとは大きかった。
 激戦地ヴェルダン。
 ドイツ軍とフランス軍あわせて70万人以上の死者を出したこの場所は、のちにこう呼ばれた。

 ――ゾーン・ルージュ

 銃弾のなまりと砲弾の有毒ガスによる壊滅的な汚染。おびただしい数の兵士の遺骸と不発弾が残った危険地帯。
 今回の戦いで、このようなゾーン・ルージュがフランスにいくつも生まれた。土壌と水は汚染され、生き物が住むのに適さないエリアにもかかわらず、多くのゾーン・ルージュは大急ぎで農地や農業施設に変えられた。
 人々と政府が汚染問題を認識して、一般人の立ち入りや農地としての利用がきびしく制限されたのは、ずっとあとのことだった。
 1970年代なかばまで、除染作業はテキトーで、ただ何万という科学爆弾を破壊して処理していた。不発弾の中身がもれ出して土壌や水を汚染するということは考えずに。
 微生物は、なまり、あえん、水銀を分解できない。1万年以上は土壌にとどまってしまうだろう。復興は絶望的だった。

 砲撃の作った無数のくぼみ。

 おびただしいやっきょうの山。

 焼かれた草木。焦土と化した大地。

 血と鉄と火薬、それからくさった肉の匂い。

 あの自然ゆたかなヴェルダンはもう、どこにもなかった。

 香りをたどり、居場所はすぐわかった。

「よぉ。エッフェル塔以来だな。ずいぶん探したぞ」

 オレがほおを出すと、ためらいながら、ラベンダーもほおを出す。オルレアン流の4回のビズ。ラベンダーとのビズは、せつなく、つらく、くるしかった。ほおとほおが触れたとき、ラベンダーの感情の情報がオレのなかに流れこんできたからだ。

 喪失――孤独――後悔――絶望――憎しみ。

 夕陽が天使を照らす。ブロンドの髪が美しく反射してまぶしい。

「なんの用?」

「用がないと会ったらいけないのか?」

「どっか行って」

「いつまで落ちこんでるんだ?」

「おまえのせいだ。ニンゲンを根絶やしにできなかった。もう顔も見たくない」

「ちょっと話をしよう」

「この雑草! はやくわたしの前から消え失せろ! 植物の裏切り者! ニンゲンの味方!」

「ニンゲンを憎んでるのが、おまえだけだと思うなよ‼︎」

 ラベンダーはおどろいて、びくっとふるえた。さけび声が焼け野原のヴェルダンに響く。

「オレだってヤツらが大嫌いだ! 自分のことしか考えてない! ドイツ人もフランス人もイギリス人も、オレから見りゃみんなアメリカ人だ! おまえが留学してたジャパンのヤツらだって! ヤツらは自分たちの生活が1番大切で、地球のことなんかどうでもいいんだ。そうだろ? 遊ぶか歌うか、仕事するか、そうでなけりゃ殺して食うことしか考えてない‼︎ ラベンダー、おまえだけが、おまえだけがニンゲンを嫌いだと思うなよ‼︎」

 気まずい空気がただよう。

 こんなこというために、ここに来たわけじゃないのに。

「どうしてそこまで人間をきらうんだ?」

 ラベンダーは何も答えなかった。ただ、うつむくばかりだ。

「『洗い草』。あなたがどうしてエグザゴンヌにこだわるのか、ぼくが当ててみせよう。どうか聞いてほしい」

 ラベンダーは沈黙していた。

「あなたは変身術が苦手だ。大人にもなれない。でも、ゆいいつなれるものがある。その天使の姿だ。天使は変身術のなかでも高難易度なのに」

 ラベンダーは顔をそむけた。触れられたくない過去でもあるのか。

「あなたがその姿を取得するのに、100年の歳月をようしたと聞いておどろいた。ぼくが見るかぎりあなたは、心理学的に何かに集中できるヒトではない。そのあなたが100年以上も。そうまでして、その姿を手に入れなければならなかった理由は何なのか?」

 肩がふるえているのがわかった。表情は見えない。

「ぼくが思うに、それは友だちの姿では? 友だちを失うことがどれほどつらくかなしいものか、あなたは知ってる。だから今回、ガトフォセを救うことに協力してくれた」

 ラベンダーは、聞いているのかよくわからない。ただ、かなしい香りをただよわせている。

「ぼくの調査では、あなたがその姿をするようになったのが、【百年戦争】から100年たったあたりから。つまり、【百年戦争】の時代にイングランド人に殺されたフランス人のだれか。仮にそうだとすると、人間ぎらいのあなたが、エグザゴンヌには特別な感情を持ってるのに、数ある国のなかでとりわけイングランドを敵視する説明がつく」

 ラベンダーの心が読める。やめてと強くうったえている。人生にはやめていいときと、そうではならないときがある。いまは後者。

「その姿の持ち主の名前は――」

「ジャンヌ、ジャンヌよ! わたしの親友だった‼︎」

 振り向いてさけんだラベンダーは、泣いていた。かんだかくうわずった声。いつもの自信と野心に満ちあふれたラベンダーは、どこにもいなかった。ただそこには、通りすがりのニンゲンたちに踏みつぶされてしまいそうな、よわよわしい花が1輪。咲いていた。

「いっしょに戦った。エグザゴンヌをよろしくっていわれた。わたしは最後まであきらめないで走ったのに、あの子は、もうちょっとで間に合ったのに、あの子は、わたしを裏切った! わたしとの契約を解除して、悪魔の大群にかこまれたわたしを、わたしだけを――うぇぇぇぇん」

 オレは強く抱きしめた。ラベンダーの香りがふわりと響く。なんて美しいんだろう。こんなにもすきとおる香りがあるなんて。魂の汚れがぜんぶ洗い流される感覚。

「ずっとずっと、がんばってきたんだな。耐えてきたんだな。もういいんだよ。自分を責めなくていいんだよ。ゆっくりおやすみ」

「あ、じ、自分は燃やされてるのに、わ、わたしっだけ、助かっても、意味ないんだよぉぉぉ」

「そうだよな。助けたかったよな」

「あ、あんな悪魔たち、やっつけられたのに、どうして、どうして飛ばしたんだよぉぉぉ」

 オレとラベンダーの香りはまざりあい、空へのぼっていった。よく晴れた夜空のカーテンには満天の星がちりばめられ、オレンジとラベンダーの香りのブレンドを吸った星たちは、きらきらとごきげんにかがやいていた。
 背中で泣き続けるラベンダーをささえて、ずっと立っていた。ラベンダーは一夜中泣き続け、声を耳にした周囲の人間たちは、世界大戦の亡霊がさまよっているとうわさした。
 ようやく朝日が顔にさしこむと、泣くのをやめた。
 オレはフランスのことわざを、ラベンダーにプレゼントした。フランスの言葉なら、ラベンダーも納得してくれるはずだ。

「Il faut de tout pour faire un monde(世界を作るにはすべてが必要)植物がいて、動物がいて、人間がいて。それで地球ができている。これで納得してもらえないだろうか?」

「ずるいヒト。ほんとうにずるいヒト」

 ラベンダーはオレの胸をたたいた。何度も何度もたたいた。

「1つ気になることがあるんだが、いいか?」

「なに?」

「ジャンヌの髪は、黒に近い茶髪だと聞いていたんだが、どうして金髪なんだ?」

「な、わ、わたしがまちがえるわけないでしょ⁉︎ いっしょにいたのよ、うたがってるの⁉︎」

「そうだよな。気のせいだ、忘れてくれ」

「オレンジ。ありがとう」

 キスをされた。ビズではなく、ほんとうのキスをくちびるに。天使ではなく、もとの姿で。
 あまいあまい、3次元の花では決して味わえない、本物のラベンダーの香り。

「おぇっ、ひどい匂いだぞ。泥をあびたほうがいい」

「どうして泥をあびるのよ? ほんとに馬花《foolower》なんだから」